危険物取扱者 丙種「危険物の性質・火災予防・消火方法」の出題ポイント解説
丙種試験の性質・火災予防・消火方法は全25問中10問を占める最大配点分野です。丙種の取扱対象であるガソリン・灯油・軽油・第3石油類(重油等)・第4石油類・動植物油類の性状と火災予防策が問われます。暗記中心ですが、物質ごとの違いを明確に区別することが合格の決め手です。
この章の重要度
10問中6問以上(60%)が足切りライン。丙種取扱対象の具体的物質の性状・引火点・消火方法が直接問われるため、過去問の物質別出題パターンを押さえれば得点源にできます。実務にも直結する核心分野。
頻出トピック一覧
1. 第4類危険物の共通性状
①引火性液体、②蒸気は空気より重い(蒸気比重>1)、③水に溶けにくい(多くが水より軽く液比重<1)、④静電気を帯びやすい、⑤燃焼範囲の下限値が低い物質が多い。この5大共通性質は頻出で繰返し問われます。
2. ガソリンの性状と取扱い
第1石油類、引火点-40℃以下(常温で容易に引火)、発火点約300℃、比重0.65〜0.75、燃焼範囲1.4〜7.6%。オレンジ色に着色(自動車用)、揮発性極高。静電気着火事故が多く、容器への注油時は流速制限・アース必須。
3. 灯油・軽油の性状と取扱い
ともに第2石油類。灯油:引火点40℃以上、無色〜淡黄色、発火点約220℃。軽油:引火点45℃以上、淡黄色〜褐色、発火点約220℃。常温では引火しにくいが霧状や布にしみ込んだ状態で引火性急増。混合禁止(ガソリン混入で引火点急低下)。
4. 重油の性状(第3石油類の代表)
第3石油類、引火点60〜150℃、発火点250〜380℃、比重0.9〜1.0(種類によっては1超)、暗褐色・粘性液体。A重油・B重油・C重油の順に粘度・不純物増加。加熱使用時の火災・タール分堆積による自然発火に注意。
5. 潤滑油・第4石油類
潤滑油(第4石油類、引火点200〜250℃):機械潤滑用でギヤ油・タービン油・切削油等。引火点が高く常温では火災危険性低いが、加熱・霧状化で引火性。水より重いものもあり消火は泡・粉末が有効。
6. 動植物油類
動植物油類(指定数量10000L):菜種油・大豆油・ひまわり油等。ヨウ素価130以上を乾性油と呼び自然発火危険性高い。油しみ布の山積みで酸化熱蓄積→発火。保管時は通気・薄い塗布状態での放置厳禁。
7. 静電気対策
第4類取扱時の最重要火災予防策。①流速制限(給油時1m/s以下目安)、②アース(接地)、③湿度を高く保つ(75%以上目安)、④絶縁性の衣服を避ける、⑤金属製容器使用。静電気による着火事故は法令より実務で頻発します。
8. 第4類火災の消火方法
窒息消火(泡・粉末・CO₂・ハロン)が基本。水は比重小で油が浮き拡大するため棒状放射厳禁。霧状強化液・霧状水は冷却+抑制で一部使用可。アルコール等水溶性液体には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を使用。
覚え方のコツ
性質分野攻略は「物質×引火点×比重×性質×消火方法」の5列表を作成するのが鉄板です。丙種取扱対象のガソリン・灯油・軽油・重油・潤滑油・動植物油について、引火点(ガソリン-40℃・灯油40℃・軽油45℃・重油60-150℃・潤滑油200℃+・動植物油250℃+)を階段状に記憶。「引火点が低い=危険度高」という感覚を身に着けます。比重は「ガソリン・灯油・軽油は水より軽い(<1)、重油は種類により1前後」と整理。消火方法は「水NG・泡OK・粉末OK・CO₂OK」を全物質共通で暗記。静電気対策5点(流速・アース・湿度・衣服・容器)もゴロ合わせで定着。ガソリンのオレンジ着色は視認性確保と灯油との混同防止が目的です。
よくあるひっかけ
性質分野のひっかけ。①引火点と発火点の値取違え:物質名と数値の組合せを変更する問題多数。②水より重い/軽い:第4類の多くは水より軽いが、二硫化炭素や一部の第3石油類は水より重い。③ガソリンの着色:オレンジ色で、無色は誤り(自動車用途では識別色付き)。④灯油と軽油の混同:引火点40℃と45℃の取違え、色も混同。⑤動植物油類の自然発火:ヨウ素価「高い」ほど乾性油で危険、「低い」は誤り。⑥霧状放射:水の棒状はNGだが、霧状や強化液霧状は使用可能な場合あり。⑦蒸気比重:第4類蒸気はすべて空気より重い(下に滞留)。⑧水溶性液体:通常の泡消火剤は消泡されるため使用不可、耐アルコール泡が必須。⑨静電気発生:湿度が高いほど発生しにくい、乾燥時ほど蓄積しやすい。
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