統計検定3級「確率変数と確率分布」出題ポイント解説
統計検定3級「確率変数と確率分布」分野の頻出論点を整理。期待値・分散の計算ルール、二項分布・正規分布の性質、中心極限定理まで、推測統計の土台となる重要概念を体系的に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず統計検定の公式情報でご確認ください。
頻出論点1: 確率変数(離散型・連続型)
- 確率変数 X: 試行の結果が数値で表されるもの(サイコロの目・身長)
- 離散型確率変数: とびとびの値(コインの表裏・サイコロの目)
- 連続型確率変数: 連続した値(身長・体重・気温)
- 確率分布: 各値xに対する確率P(X=x)の対応表
- 離散型: Σ P(X=xᵢ) = 1/連続型: 確率密度関数の全範囲積分 = 1
頻出論点2: 期待値・分散・標準偏差
- 期待値 E(X) = Σ xᵢ × P(X=xᵢ)。確率変数の長期平均値
- 分散 V(X) = E((X−μ)²) = E(X²) − (E(X))²
- 標準偏差 σ(X) = √V(X)。元の単位と同じ
- 例: サイコロ1個 → E(X) = 3.5、V(X) = 35/12 ≒ 2.92
頻出論点3: 期待値・分散の計算ルール(最頻出)
| ルール | 式 |
|---|---|
| 定数倍と加算(期待値) | E(aX+b) = aE(X) + b |
| 定数倍と加算(分散) | V(aX+b) = a²V(X) |
| 分散と標準偏差 | σ(aX+b) = |a|σ(X) |
| 独立な確率変数の和 | E(X+Y) = E(X) + E(Y)、V(X+Y) = V(X) + V(Y) |
| 独立な確率変数の差 | V(X−Y) = V(X) + V(Y)(分散は足す) |
3級で特に頻出なのが「V(aX+b) = a²V(X)」と「分散の加法(独立時)」です。差の分散も足し算になる点に注意。
頻出論点4: 二項分布 B(n, p)
- 独立な試行をn回繰り返し、各回の成功率p。成功回数Xの分布
- 確率関数: P(X=r) = nCr × pʳ × (1−p)ⁿ⁻ʳ
- 期待値 E(X) = np
- 分散 V(X) = np(1−p)
- 例: コインを10回投げて表が出る回数 → B(10, 0.5)、E=5、V=2.5
- nが大きいとき、正規分布で近似可能(nが30以上目安)
頻出論点5: 正規分布 N(μ, σ²)
- 左右対称の釣鐘型曲線。平均μを中心に対称
- 標準正規分布 N(0, 1): μ=0、σ=1の特別な正規分布
- 標準化: Z = (X − μ) ÷ σ → ZはN(0,1)に従う
- 正規分布表の見方を覚える(CBTでは表が画面に表示される)
頻出論点6: 68-95-99.7の法則(経験則)
- 正規分布 N(μ, σ²) において
- μ ± 1σ の範囲に 約68% のデータが入る
- μ ± 2σ の範囲に 約95% のデータが入る
- μ ± 3σ の範囲に 約99.7% のデータが入る
- 3級では「平均60・SD10のとき80点以上は何%か」のような問題でこの法則を活用
頻出論点7: 一様分布
- 離散一様分布: すべての値が等確率。例: 公平なサイコロ U(1,6)、E=3.5、V=35/12
- 連続一様分布 U(a, b): 区間[a, b]で密度一定
- 連続一様の期待値 = (a+b)/2、分散 = (b−a)²/12
- 「0〜10秒の間で等しく起こる」など実務での近似モデル
頻出論点8: 中心極限定理・大数の法則・標本平均の分布
- 大数の法則: 標本サイズnを大きくすると、標本平均は母平均μに近づく
- 中心極限定理(CLT): 母分布がどんな形でも、標本サイズnが十分大きければ、標本平均X̄の分布は近似的に正規分布 N(μ, σ²/n) に従う
- 標本平均の期待値: E(X̄) = μ(母平均と一致)
- 標本平均の分散: V(X̄) = σ²/n(母分散をnで割る)
- 標本平均の標準誤差: σ/√n。nを4倍にすると誤差は1/2
- n=30が「十分大きい」の目安としてよく使われる
この章は次の「統計的推測」の基礎になります。E(X̄)=μ、V(X̄)=σ²/n は確実に覚えておきましょう。
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