乙種第6類「危険物の性質・火災予防・消火」出題ポイント解説
第6類危険物(酸化性液体)の代表物品である過塩素酸・過酸化水素・硝酸(発煙硝酸)・ハロゲン間化合物(BrF3/BrF5/IF5)の物性・火災予防・消火方法を網羅した、乙6類試験で最も配点ウェイトの高い分野を体系的に整理した、危険物取扱者 乙6類試験の頻出論点まとめです。重要キーワードと出題ポイントを章別に解説します。
※出題範囲は改定される場合があります。最新情報は消防試験研究センター公式でご確認ください。
1. 第6類危険物の共通する性質
- すべて液体(固体は第1類)
- それ自体は不燃性だが、強い酸化力で他の可燃物の燃焼を著しく促進
- 多くは無機化合物(有機過酸化物は第5類)
- 水と反応するもの(ハロゲン間化合物)と、水に可溶のもの(過塩素酸・過酸化水素・硝酸)に大別
- 有機物・可燃物との接触で発火・爆発の危険
- 多くは皮膚を侵す強腐食性(人体重大危険)
2. 過塩素酸 HClO4
- 無色の発煙性液体、刺激臭、強酸
- 沸点 約203℃、加熱・衝撃で爆発分解
- 有機物(紙・木片・布)と接触すると発火
- 水と接触すると激しく発熱(希釈時は水へ少量ずつ加える)
- 貯蔵:ガラスまたは陶磁器容器、密栓、冷暗所、可燃物隔離
- 消火:大量の水による希釈消火、または霧状注水。漏洩はソーダ灰で中和後水で流す
3. 過酸化水素 H2O2
- 無色透明の液体、純粋なものは粘性あり
- 消防法上は濃度36%以上のものが危険物(薬局のオキシドール3%は対象外)
- 不安定で、光・熱・金属粉・MnO2等の触媒で分解してO2と水になる(2H2O2→2H2O+O2)
- 分解抑制剤としてリン酸・尿酸を添加することがある
- 貯蔵:容器は通気栓(穴あき栓)でO2を逃がす(密栓すると破裂)
- 消火:大量の水。可燃物に染み込むと自然発火の危険
4. 硝酸 HNO3 / 発煙硝酸
- 消防法上は比重1.27以上(質量濃度約36%以上)が危険物
- 無色〜淡黄色液体、光・熱でNO2を発生して黄褐色化
- 発煙硝酸はNO2を過剰に溶かしたもの(より危険)
- 濃硝酸はFe・Al・Crを不動態化させる(SUS316L等耐食鋼が必須)。SUS304は腐食するため不可
- 希硝酸はCu・Ag・Hg等を溶解(王水=濃硝酸+濃塩酸はAu・Ptも溶かす)
- 人体重大危険:皮膚に付くと黄色のキサントプロテイン反応、激しい腐食
- 有機物(木材・紙・布・テレピン油)と接触で発火
- 消火:大量の水、霧状注水・乾燥砂・粉末
5. ハロゲン間化合物 BrF3 / BrF5 / IF5
- 2種の異なるハロゲンが結合した化合物、極めて強い酸化剤
- 水と激しく反応してHF等の有毒・腐食性ガスを発生
- 多くの金属・非金属・有機物と反応し発火
- 貯蔵:ポリエチレン容器・乾燥環境、水気厳禁
- 消火:水・泡は厳禁。粉末・乾燥砂で窒息消火
6. 7物品比較表
| 物品 | 水との反応 | 消火 | 容器 |
|---|---|---|---|
| 過塩素酸 | 発熱(溶ける) | 大量の水・希釈 | ガラス・陶磁器 |
| 過酸化水素 | 混和 | 大量の水 | ガラス・ポリ(通気栓) |
| 硝酸 | 混和(発熱) | 大量の水・霧状 | ガラス・SUS316L |
| ハロゲン間化合物 | 激しく反応・HF発生 | 粉末・乾燥砂(水厳禁) | ポリエチレン(乾燥) |
7. 共通の火災予防・消火原則
- 火災予防:直射日光回避・冷暗所・可燃物隔離・容器破損防止・換気・耐酸床面
- 密栓原則(過酸化水素のみ通気栓)
- 消火:原則「多量の水・粉末・砂・希釈消火」。ハロゲン間化合物のみ水厳禁
- 有毒ガス発生に備え防毒マスク・耐酸防護衣を着用
- 第6類は自身が燃えないため「相手の可燃物火災」を冷却・窒息で抑える発想
📚 この章を完全マスターする3つの動線
出題ポイント学習 → 章別演習 → 模擬試験で実力測定
📑 同じ資格の他章を学ぶ
他章の重要論点も併せて押さえると、関連分野の理解が深まり合格率が向上します。各章の頻出パターンを順に確認していきましょう。
- 危険物に関する法令 - 指定数量300kg・容器・運搬基準の総まとめ
- 基礎的な物理学・化学 - 酸化還元・濃度・燃焼理論の前提
- 第6類危険物 発展問題 - 類別比較・事故事例・甲種への発展
🔗 関連資格
- 乙種第1類危険物取扱者 - 酸化性「固体」、第6類と対をなす
- 乙種第5類危険物取扱者 - 自己反応性物質(第6類と混載禁止)
- 甲種危険物取扱者 - 乙6取得は甲種受験要件のひとつ
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