漢検1級「難読漢字の読み」の出題ポイント解説
漢検1級の「読み」は、JIS第一・第二水準を含む約6000字の配当漢字から出題され、準1級をさらに大きく上回る難度です。「饕餮(とうてつ)」「韜晦(とうかい)」「窈窕(ようちょう)」のような古典・漢籍由来の硬い熟語から、「論う(あげつらう)」のような難訓まで幅広く問われます。1級は範囲が極めて広く、本章は頻出・典型項目に絞った解説です。合格には漢和辞典・専用問題集での辞書学習の併用が必須です。読みは配点が大きく、合格ライン(200点満点中160点前後)を狙ううえで最も落とせない分野です。この章ではタイプ別の頻出例と覚え方のコツを整理します。
※出題範囲・配当漢字は改定される場合があります。最新情報は必ず日本漢字能力検定協会 公式情報でご確認ください。読み・意味は辞書に準拠しています。
読み問題の出題タイプ
1級の読みは、大きく次の3タイプに分けて対策すると効率的です。
- 音読み:漢語の音で読むもの。「饕餮(とうてつ)」「韜晦(とうかい)」「跼蹐(きょくせき)」など、漢籍・古典に登場する硬い熟語が中心。
- 訓読み:日本語の意味で読むもの。「論う(あげつらう)」「託つ(かこつ)」「論す(さとす)」など、送り仮名まで含めて問われる。
- 熟字訓・当て字:熟語全体に特別な訓をあてるもの。「海星(ひとで)」「膃肭臍(おっとせい)」など、一字ずつでは読めない語。1級では生物名・古語・外来語の当て字が大量に出る。
音読みの頻出例
1級の音読みは、古典・漢文調の語彙が中心です。読みを正確に覚えましょう。
| 熟語 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 饕餮 | とうてつ | 財貨や飲食をむさぼること。中国古代の怪物の名から |
| 韜晦 | とうかい | 才能や本心を包み隠すこと |
| 窈窕 | ようちょう | 女性が上品でしとやかなさま |
| 跼蹐 | きょくせき | 身をかがめ抜き足で歩くこと。恐れつつしむさま |
| 畢竟 | ひっきょう | つまるところ・結局 |
| 魑魅 | ちみ | 山林の精気から生じるという化け物 |
訓読みの頻出例
訓読みは送り仮名とセットで問われます。動詞・形容詞の読みは意味も意識しましょう。
| 漢字 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 論う | あげつら(う) | 欠点などをことさら取り上げて言う |
| 託つ | かこ(つ) | 不平を言う・かこつける |
| 論す | さと(す) | 言い聞かせて教えみちびく |
| 抃つ | う(つ) | 手を打って喜ぶ |
| 遖 | あっぱれ | みごとである・感心だ(国字) |
| 嘖む | さいな(む) | 苦しめいじめる |
熟字訓・当て字の頻出例
熟字訓・当て字は理屈で読めないため、丸ごと暗記が基本です。1級では生物名・自然・外来語の当て字が定番として繰り返し出ます。
| 語 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 海星 | ひとで | 星形の棘皮動物 |
| 膃肭臍 | おっとせい | アシカ科の海生哺乳類 |
| 海馬 | とど/せいうち | 大型のアシカ・海象の類(文脈による) |
| 水雲 | もずく | 食用の海藻(海雲とも書く) |
| 竜髭菜 | アスパラガス | キジカクシ科の野菜の当て字 |
| 不知火 | しらぬい | 夜の海上に見える無数の光 |
読みの覚え方のコツ
- 音読みはつくり(音符)で類推:「韜」「饕」のように共通のつくりを持つ字は読みが近いことが多く、未知の語も推測できます。漢和辞典で音符を確認する習慣をつけましょう。
- 訓読みは送り仮名とセット:「論(あげつら)う」のように活用部分まで含めて声に出して覚えると、書き取りや同音同訓異字の章にも効きます。
- 熟字訓・当て字はリスト暗記:1級配当の熟字訓・当て字は膨大ですが、市販問題集の付表を繰り返せば確実な得点源になります。故事・熟字訓の章とあわせて学習を。
- 意味とセットで覚える:1級は読めても意味を知らないと類義語・対義語問題で失点します。語義まで押さえましょう。意味があいまいな語は用語集で確認を。
学習全体の進め方は勉強法ガイドも参考にしてください。読みに自信がついたら、書き取りの章に進みましょう。
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