一級ボイラー技士「ボイラーの構造に関する知識」の出題ポイント解説
一級ボイラー技士試験の構造に関する知識は全40問中10問を占める主要科目です。二級では扱わない大容量・高圧ボイラー特有の構造や、貫流ボイラー・廃熱ボイラー・電気ボイラーまで広く問われます。各種付属品・付帯設備・自動制御の知識を体系的に整理する必要があります。
※受験料・試験日程・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず安全衛生技術試験協会の公式情報でご確認ください。
この章の重要度
試験は4科目×10問=40問構成。各科目40%以上(構造で4問以上)の足切りがあり、全体60%以上が合格基準。一級では二級の基礎に加え、付帯設備の燃焼計算・PID制御・燃焼安全装置のシーケンスまで踏み込んだ出題が多く、得点源とするには深い理解が必要です。
頻出トピック一覧
1. 各種ボイラーの構造と特徴
鋳鉄製ボイラー(セクショナル構造・低圧暖房用・0.1MPa以下蒸気)、水管ボイラー(自然循環・強制循環・高圧大容量適)、貫流ボイラー(ドラムレス・超臨界対応)、煙管ボイラー(炉筒煙管が主流)、廃熱ボイラー(排ガス熱回収)、電気ボイラー(電極式・抵抗式)の比較が頻出。
2. 安全弁
原則2個以上設置。ばね式が主流で揚程式・全量式に分類。吹出し圧力は最高使用圧力以下、吹止まり圧力は吹出し圧力の3〜10%下。過熱器・エコノマイザにも独立した安全弁が必要。性能検査時の作動確認は必須事項。
3. 吹出装置
連続吹出(運転中常時微量、水質維持)と間欠吹出(沈殿物排出、定期)。最高使用圧力1MPa以上は急開弁+漸開弁の直列配置が原則。吹出管の取付・吹出弁の取扱が頻出。
4. 水面測定装置
2個以上設置が原則。ガラス水面計(透視式・平形反射式)と水柱管、電極式・フロート式水位検出器。低水位燃焼遮断装置との連動が大容量機では必須。
5. 給水装置
給水ポンプ(渦巻・タービン・ディフューザ)、給水内管、逆止弁、給水弁。原則2系統以上(貫流式除く)。化学処理用薬注装置、脱酸素器(熱的・化学的)も付属。
6. 付帯設備(省エネ機器)
エコノマイザ(給水予熱・煙道末端設置・低温腐食注意)、空気予熱器(管形・再生式・蒸気式)、過熱器(放射形・対流形・複合形)、通風装置(押込通風・誘引通風・平衡通風・自然通風)。熱効率1〜5%改善効果を理解する。
7. 自動制御方式
ON-OFF制御(小容量・単純)、比例制御(P)(オフセット残)、PID制御(高精度・大容量標準)。給水制御は単要素式(水位)・2要素式(水位+蒸気量)・3要素式(水位+蒸気量+給水量)。蒸気圧力制御・燃焼制御との連動を理解。
8. 燃焼安全装置
火炎検出器(フォトセル・整流式・紫外線式)、点火装置、シーケンス制御。プレパージ→点火試行→主バーナ点火→火炎確認→ポストパージのシーケンスを暗記。フレームアイ異常時の安全遮断機構が頻出。
覚え方のコツ
一級の構造攻略は「二級で学んだ基礎構造に高圧・大容量要素を上乗せ」するイメージ。貫流ボイラーの「ドラムなし・超臨界対応・水質厳格」は最頻出の3点セット。付帯設備は「エコノマイザ=水を予熱・空気予熱器=空気を予熱・過熱器=蒸気を過熱」と対象物で覚えると混乱しません。自動制御は「P=速いが残留、I=残留消す、D=予測」と動作の役割で押さえ、PIDの組合せ効果を理解。給水制御は「要素数=入力信号数」と素直に覚え、3要素式は水位+蒸気流量+給水流量のフィードフォワード制御と認識しましょう。燃焼安全装置のシーケンスは「炊く前換気→火を確認→止めた後換気」と日常感覚で記憶。
よくあるひっかけ
一級構造分野のひっかけ。①貫流ボイラーのドラム:ドラムを持たないが正解、保有水量が多いとする選択肢は誤り。②鋳鉄製ボイラーの圧力:低圧専用(蒸気0.1MPa以下・温水0.5MPa以下)、高圧不可。③安全弁の吹出し圧力:最高使用圧力以下であり、超過設定は誤り。④エコノマイザの低温腐食:排ガス露点以下で硫酸腐食発生、設置位置は煙道末端だが温度管理必須。⑤空気予熱器の効果:燃焼効率向上だが、ドラフト損失増加もセットで起きる。⑥PID制御のD動作:微分は変化速度に対応、偏差そのものではない。⑦給水制御の3要素:水位・蒸気流量・給水流量で、温度は含まれない。⑧火炎検出器:フォトセルは可視光、紫外線式はUVを検出。フレームアイの種類と検出原理を混同しない。⑨吹出装置の急開・漸開:1MPa以上は急開弁+漸開弁の直列、逆順や単独は不可。⑩通風方式:平衡通風は押込+誘引、誘引のみとする説明は誤り。
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